2020年秋季カンファレンスはWeb開催決定!!

新型コロナウイルス感染の第2波、第3波を考慮し、10月18日(日曜日)に開催予定の秋季カンファレンスは当初予定のグランパークカンファレンス(田町)でのリアル開催ではなく、研究会初のWeb開催となりました。申し込みされた歯科医院は当日のリアル配信はもちろん、3か月間のオンデマンド配信が見られます。各歯科医院単位の申し込みとなり、認定医・認定衛生士のポイントも自動的に加算されますので、お得感満載のカンファレンスです。申し込み方法の詳細はホームページ、もしくは研究会のFacebookページ(会員限定、加入申請必要)に随時掲載されますのでどうぞチェックをお忘れなく。以下に演者の先生方を紹介いたします。

【演者】鈴木彰先生

鈴木彰先生

・医療法人社団ベル歯科理事長

・ベル歯科医院(神奈川県海老名市)院長

・博士(歯学)、海老名市歯科医師会副会長、神奈川県歯科医師会 歯の博物館運営委員会委員、日本フィンランドむし歯予防研究会会長、アジアデンタルフォーラム専務理事、東京医科歯科大学非常勤講師、日本大学松戸歯学部兼任講師、歯科医師臨床研修指導歯科医

・東京医科歯科大学卒業(1986年)

【演題】「歯科医院経営の難化に対応できる人事・診療システムを構築しよう

~ アフターコロナ時代の歯科医院経営のケーススタディー ~ 」

【抄録】

演者は、神奈川県海老名市で1989年に開業した。31年間診療を行ってきて感じることは、歯科医院経営の難易度が一貫して高まっていることだ。歯科医師・歯科衛生士の採用・育成・定着など人事面の難化、患者さんの診療への要望の多様化、保険診療の収益力の低下が同時に進行しているからである。

これに対して当院が30年余りに行ってきた対応策をケーススタディとしてご紹介したい。人事面では、歯科医師の臨床研修制度の活用、歯科衛生士の患者担当制業務推進、歯科技工士・助手の役割分担体制である。また診療システムとして「予防+治療型」歯科診療を考案した。

マクロの視点から、このような歯科医業の変化が起きた原因、今後の変化予想、対応策の私案についても触れる予定である。

会員各位にとってご参考になることを期待しつつ、本カンファレンスにおいてお話させていただく機会を楽しみにしている。

【演者】王 宝禮先生

王 宝禮先生

・大阪歯科大学歯学部教授

・大阪府生まれ、北海道医療大学歯学部卒、北海道大学歯学部大学院にて歯学博士、北海道大学歯学部予防歯科学講座助手、米国フロリダ大学口腔生物学講座研究員、帰国後大阪歯科大学薬理学講座講師、松本歯科大学歯科薬理学講座教授、大阪歯科大学歯科医学教育開発室教授。専門は口腔内科学、創薬学。

【演題】「近未来への歯周内科の潮流 .ーアジスロマイシンと排膿散及湯ー 」

【抄録】今から約20年前にマクロライド系抗菌薬アジスロマイシンの研究を開始し、基礎研究ではバイオフィルムへの溶解性、免疫担当細胞の走化性の亢進、さらに臨床研究では侵襲性歯周炎への有効性をGenève大学歯学部のBaehni教授らとの共同研究で明らかにした。

その後これらの発見から2010年には日本歯周病学会編 による「歯周病患者における抗菌療法の指針2010. 」の作成委員としてガイドラインを作成できた。この時代の流れの中で今日迄、国際歯周内科学研究会の本邦における歯科医療への貢献度は大きい。まず、歯周内科という新しい概念を定着された。

そして、歯科医院における抗菌薬物療法の確立、位相差顕微鏡の導入、リアルタイムPCR法による検査の必要性、院内感染対策の手法などを普及させた。

研究会の活動はこれまでの歯科治療や大学教育を大きく変革していった、ともいえよう。本研究会の活動は的確に未来を描いている。さて今、世界では新興感染症、耐性菌、院内感染の対応に苦慮し、人類史に大きな傷跡を残している。

このような背景からも現在は漢方薬の臨床薬理学的な研究を展開している。漢方薬には未来への医療の可能性を実感している。今回は、近未来の歯周内科の潮流を予想して、私の研究から歯周病に対する西洋薬と漢方薬を用いる歯科治療に関する最新情報や投薬方法をご提供致します。

研究会の先生方の未来への責任や役割は大きいです。ご一緒に歩みましょう。

【演者】生田 図南先生

生田 図南先生

・医療法人社団南生会理事長 ・生田歯科医院(熊本県天草市)院長

【演題】「2020年保険改定のメリットを最大限享受する!!」

【抄録】

2020年保険改定について

2020年保険改定では歯科は0.59%のプラス改定となったが、か強診を有する歯科医院にとっては大増点となっている。また、その中でもメインテナンス中心の歯科医院は長期管理加算がついたために驚くようなボーナス改定となっている。今後も、か強診を有し長期管理型の歯科医院の優遇は継続すると思われる。早急に、管理型歯科医院への転換が必要である。

小児口腔育成

今回の改定で小児の口腔育成が出生時から可能になった。カリエス管理・歯肉炎管理・ 口腔育成がさらに強化された。特に小児口腔機能管理料が独立し、口唇閉鎖力検査が3か月に一度行えるなどでシステム化しやすくなっている。私は日本の出生者数の急激な減少と、口腔内環境の劣化【特に呼吸環境】が日本の将来を危うくすると感じている。よりよい口腔内環境を育成するために歯科医師の活躍が期待されている。また、その報酬もより評価されてきている。 この分野は第二のSPTⅡになる可能性が高い。

メインテナンス〜P重防とSPTⅡ

今回の保険改定で小児から高齢者まで歯周病の管理が可能になった。しかも非常に高点数である。厚生労働省のHPの資料では、歯肉に所見のある患者の割合は減少しているが、成人を中心に歯周病の割合は増加している。そして、歯周病といろいろな内科的な疾患の関連性が発表されている。歯周病患者数の抑制は総医療費の抑制のためにも必須である。患者を納得させることができる科学的な説明と治療により、SPTⅡへの移行は可能になる。

高齢者の訪問歯科診療

2025年にはすべての団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる。日本の人口動態も大きく変化するがそれとともに患者の受診年齢も大きく変化してくる。地方が直面している問題は10年後の大都市の問題になる。しかも大規模に起こる。訪問歯科診療も治療中心から摂食支援(35歳以上の歯科医師は大学で習っていないので対応が難しい)の訪問歯科診療が求められる。早急に形態回復から機能回復への歯科治療の転換が必要である。

 


なお、鈴木先生の講演ではコロナパンデミック以降の出来事やそれに対する対応策、その結果も付け加えてくださるそうで、医院経営に学術にと、どの講演もまさにタイムリーなものになること間違いなしです。

また今大会は販売用DVDを作成しませんので、「当日参加はできないが、のちに視聴したい。」という方はぜひ3か月間のオンデマンドを視聴下さい。

みなさまの申し込み、心からお待ちしております。